共謀共同正犯の手控え(その2)

 共謀共同正犯をめぐる議論は、
(A)実行行為を行わない者にも共同正犯を認めることができるか
(B)どのような場合にそのような共同正犯を認めることができるか
という問題に分けられる。

 また、共謀共同正犯を実行共同正犯との対比で理解すると次のようになる。
「共同正犯」
・「実行共同正犯」
・○意思の連絡
・○自手実行
(・○実行行為)
(・○正犯意思) cf)故意ある幇助的道具
・「共謀共同正犯」
・○共謀=犯罪の共同遂行の合意
(・○実行行為)
(・○正犯意思) cf)故意ある幇助的道具

実行共同正犯では、意思の連絡+自手実行が共同正犯の要件になる。
共謀共同正犯では、共謀=意思の連絡+αが共同正犯の要件とならなければおかしい。
+αをどのような内容と捉えるかが問題となる。
なお、単なる意思の連絡を超えた「謀議行為」があれば、「共謀」と認められる。)

その1では、意思の連絡に加えて、緊密性・双方向性という形で整理された。
(ただし「共謀」を純粋な「意思の連絡」と捉えるのであれば、
  ○共謀=意思の連絡
  ○+α
  ○実行行為
  ○正犯意思
  と整理されようか)

『難解な法律概念と裁判員裁判』では
正犯意思(正犯と共犯の区別)について
「自分の犯罪を犯したといえる程度に、その遂行に重要な役割を果たしたかどうか」
という判断基準を提案している。


 ○○参照