2008-01-01から1年間の記事一覧

私企業の契約を通じた行政目的の達成について

行政が、一定の目的を達成するために 諸々の指針を設けてそれを私企業に他の法律を介するような方法で強制したり、 またはもっと弱くて要請(お願い)をする形で 契約にあたり一定の条項を設けさせて実現を図るという 政策手法に最近、少々興味を持っていま…

作業研修・感想いくつか(12月5日修正)

凡ミスあり。 単純な仕事を単純にミスなく進める安定感が欲しい。 それと、結構、物事に関して、短時間での飲み込み(理解力)・記憶力の質と量が 良くないように思ってきた。案外、覚えられることが少ない、というのが実感。 現場作業になるほど、食堂のご…

仕事が定時終わり

少々、事情があり、 最近(前後2週間)は、仕事が定時にきっちり終わって、 また翌日に仕事が入ってくるという状況。 予定に従って出勤し、帰宅するというのは久々。 (そのおかげで、別件の進んでいない案件が もっぱら自分のせいで悲惨な状況に陥りつつあ…

いよいよ被害者参加制度開始

いよいよ、平成20年12月1日から 被害者が刑事法廷の中で、 証言だけでなく、尋問を行ったり求刑意見等まで述べられるという 世界的にも珍しい(かもしれない?) 被害者参加制度が始まります。 制度の詳細やら見通しは様々な人がいろいろに考えていらっしゃ…

告発・相談を読んで

某弁護士先生のお書きになっているブログの2008年11月20日のエントリーに、 「ある常勤監査役さんへのメッセージ」というものがありました。 これは、某上場企業の常勤監査役を務めている方からの 相談を受けて、これに対して、私見を示して励ましている主旨…

棠陰比事その10

十 傷跡の深浅 (宋) 盗人がある人がとっていた桑の葉を奪おうとして失敗したため、 自分の右ひじを自分で切って、その人を誣告した。 銭惟済は、その訴人を呼んで取り調べ、さらに食事を与えたところ、 左手で箸などを使った。 そこで、惟済は、「他人が切…

棠陰比事その9

九 利手の左右 (宋) <事案> 住民が船に乗るのを争って殴り殺されたが、長い間犯人が分からなかった。 そこで、欧陽曄は、囚人たちをそこへ出して食事をさせてみた。 食事後、一人の囚人を残して獄舎に帰らせた。 残された者は顔色を変えた。 曄は、「人…

法律系雑誌記事での発言

某雑誌で座談会をやっていて、法科大学院卒の法曹になったからといって質の低下はないんだ、客観的な調査からしても質の低下はうかがえないという方向性の座談会だったのですが 太田勝造「点からプロセスというのであれば(中略)、一定の科目をとったら実務…

にせ整形外科医

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081120-00000214-jij-soci >にせ整形外科医を逮捕=28年、他人免許で医療行為-元レントゲン車運転手・千葉 >11月20日20時34分配信 時事通信 >94年からは同診療所で、整形外科医として毎週月曜に勤務。 >カルテでは…

棠陰比事その7、8

七 二人の父親 (後魏) <事案> 有る父親Aは、その子どもが3歳の時に行方不明になってしまい、 後に、別の男性Bの家にいるのを見つけて訴え出たが お互いが自分の子であると言い張り、それぞれの近所の住人が証人になったため 郡県の役所では裁決できな…

棠陰比事その6

六 老後の子供 (漢) <事案> ある金持ちの老人は、先妻との間の娘がいた(他家に嫁いだ)が男の子はいなかった。 その後先妻がなくなり、後妻を迎えて男の子が生まれた。 老人が死んで数年の後、先妻の娘は、財産を自己のものにしようとして 「後妻の産ん…

税金の無駄遣い

>無駄遣いなど1253億円、過去最悪 >11月7日12時39分配信 時事通信 >伏屋和彦会計検査院院長(左)から決算検査報告書を受け取る麻生太郎首相。 >不適正会計処理や税金の無駄遣いなど指摘は981件、1253億6011万円に上った。 >指摘額は前年度の4倍以上に…

なんとなく

息を吸おうと思ったら、むしろしっかりと吐くことを意識した方が良いかもしれない ということを聞いて、 物事に集中しようと思ったら、 細切れの時間の中でいかに心身をしっかり休息(リラックス)させるかを 意識した方が良いかもしれない、と思った。 それ…

棠陰比事その5

五 詐術の欠陥(宋) <概要> 富豪の張氏が亡くなった後、その息子のところに老人が現れ、 実は自分が、お前の本当の父親だと言ってやってきた。 医者をしていたが、貧乏で養うことができなかったので、 ○年○月○日にその富豪に渡したと話し、 薬法の本に書…

読書感想文

『アメリカ人のみた日本の検察制度』 平易さを備え、具体的な示唆に富んだ名著である。 複雑な刑事司法制度を複雑なまま、しかし、分かりやすく根拠をもって論じている。 日本語版のまえがきで、著者は、いろいろな分野の法律関係者から広く好評を得ている …

最高裁長官人事

竹崎高裁長官の最高裁長官人事は、 前回の後任について報道と結果(堀籠最高裁判事と島田最高裁長官)の流れからすると、 ある意味既定路線なのでしょう。 前回ではあえて、裁判員実施前に退官する方を最高裁長官に充てたわけですし。 それにしても、 衆議院…

葬儀

仕事関係の知人が急逝されて本日は告別式に出席しました。 夭折されたご本人の無念さもさぞやと思いますが、 先に逝かれてしまったご両親、ご家族の嘆きも言いようもなく深いことと思います。 天職を得て、これからますます躍進しようとするさなかに、このよ…

ホームドラマ篤姫(?)

今日の篤姫は、 単身赴任の男性の不倫、と 要職に取り立てられるには血縁重要 の2本でした(笑) 前者は、まあ、江戸時代には側室制度とかが残っていて、 わりと地位の高い人はひょっとしたら、そこらへんが緩いかもしれないで、 何というかこんなに家庭的…

安全第一だけど

こんにゃくゼリーをのどに詰まらせて、亡くなられたお子さんが出たそうです。 ときどき、このようなニュースを耳にしますので、 メーカーの改善努力(がたぶんあるのでしょうが)によっても 十全の安全性は確保できないのでしょうね。 しかし、だからといっ…

政府に反する判決を出す裁判官は出世しないのか?

「税法関連事件では、『上訴審で判決を覆された裁判官をみると、覆されなかった裁判官と比べ、人気のあるポストについた期間は短かったし、もっとも不人気なポストについた期間は著しく長かった。裁判官が納税者を勝訴させたか政府を勝訴させたかは必ずしも…

アメリカの裁判

「Judges, prosecutors, and jurors are likely to be prejudiced against self-representing defendants. Such defendants are likely to be seen as guilty "head cases" who are adding to their sins by trying to disrupt the judicial system.」 裁判…

特許侵害訴訟の勝訴率(アメリカ)

アメリカでの特許訴訟における特許権者の勝訴率 陪審審理:64% 職業裁判官審理:51% *なお,控訴審で支持される割合は同程度である 外国当事者の勝訴率 陪審審理:36% 職業裁判官審理:56% 特許侵害訴訟(企業対個人)の勝訴率 陪審審理: 個人である原…

行政事件などの率

ミュンヘン市(1991) 既決事件:4683 行政事件:3,455 民事事件:1,228 市側の勝訴・相手方取下げ市の負担のない和解3,805(81.25%) 市側の敗訴・市側取下げ・市の負担のある和解 878(18.75%) ミュンヘン市では、広報誌等で、市側の勝…

民事事件・刑事事件の率(手控え・信憑性あるデータとは限らない)

日本 請求認容率 一般民事:80~85%前後(全事件)、約65~70%(争いある〔人証調べ実施〕事件) 医療事件:36.6%(某大阪医療集中部) (認容数に和解・調停数を含めると、終局処理〔移送除く〕で全体の68.2%。) 控訴事件:15%?(…

検察審査会と起訴率・無罪率など

戦前の日本の陪審法の下で行われた陪審裁判は484件、無罪率は16.7%。 検察審査会法の施行後の昭和24年から平成18年までの間に,累計で,延べ14万8,374人の処理がされ,延べ1万7,062人について起訴相当又は不起訴不当の議決がされている。このうち,延べ1,355…

棠陰比事その3,4

三 寡婦の冤罪 (晋) <概要> 姑によくつくしていた寡婦がいた。 姑は寡婦が節操を守って再婚を承知しないのをかわいそうに思い、自殺してしまった。 親戚の者は、寡婦を無実の罪で訴え、寡婦は拷問にたえきれず、自白してしまった。 そうちょ、という人が…

棠陰比事その2

二 書記の誣告 (宋) <概要> 富豪の家の下女が行方不明になり、その両親が役所に訴え出た。 録参(記録文書をつかさどり、善悪を挙弾する官。書記と訳す場合もある)は、 富豪に恨みがあったので、富豪父子が下女を殺して川に流したと誣告した。 銭若水は…

喫煙席と禁煙席

今日の夜、所用で新幹線に乗りました。 3連休の最後ということで多数の乗客が乗っており、 一本見送って次の新幹線に乗りました。 どうにか座る座席を確保してふと周りを見ると、たばこをぷかぷか。 前の新幹線では全車両が禁煙車両だったので、気にとめて…

棠陰比事その1

一 僧侶の災難 (宋) <概要> 箱車で夜を過ごしていた僧侶が、家に泥棒が入り女性を連れだし、衣類の包みを持って逃げるのを偶然目撃した。 僧侶は、その家の主人に家に泊めてくれるよう頼んだが断られ、箱車に泊まることを許してもらっていたことから、主…

棠陰比事その0

中国宋代以前の裁判事例144を集めたもので、題名の意味は「名裁判比べ」といった趣旨だそうです。 内容としては、捜査の手法、信用性判断、法令の適用、一部に家事・民事が入るといった感じです。 これから、不定期に、収録されている裁判説話を見ていき…