違憲判断

>読売新聞 11月14日(水)15時40分配信
>最終更新:11月14日(水)17時59分

> 党首討論で首相は、衆院選1票の格差是正のため小選挙区の「0増5減」を
>先行実施することの確約を求めたうえで、
>「(衆院の)定数削減を来年の通常国会で必ずやり遂げると決断してもらえるなら、
>16日に解散してもいいと思っている」と語った。また首相は、16日に解散するため、
>今週中に、赤字国債発行に必要な特例公債法案を成立させるよう協力を求め、
安倍氏は応じる考えを示した。公明党の山口代表との討論の中でも、
>首相は「16日解散をやり遂げたい」と述べた。

> 民主党は14日、0増5減などの選挙制度改革法案を国会に提出した。
>法案が成立しても、16日解散の場合、現行区割りのまま選挙が行われる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121114-00000898-yom-pol

 一票の格差の是正についてどうなっているのか分かりませんが、
読売新聞が最後のところで指摘するように、解散して現行の区割りで選挙を行う
ということになれば
日本国憲法史上初の、衆議院選挙全体の無効とされることになるかもしれません。


藤田宙靖最高裁判事は近著において、
最高裁が、衆議院の一人別枠方式の不合理性を正面から宣言したことなどを指摘した上で、
最高裁は近時、参議院にせよ衆議院にせよ、現行の定数配分が投票権の不平等をもたらしていることを十分に意識し、国会がこれを早急に是正する必要があるとのメッセージを発し続けている。それにも拘らず問題の本質を理解し、然るべき行動を取らない国会の不作為に対して、いわば我慢に我慢を重ねている。Xデーが来るのは、恐らくは、選挙を無効としたときにもたらされる理論的実際的混乱につき、もはや最高裁は一切の責任を負うことができず、一重に立法府がせきんを負うべきである、との判断に多数の裁判官が達したときであろう。そしてその日は、国会の現状がこのまま続く限り、さほど先のことではないかもしれない。」
としています。(『最高裁回顧録』115頁)

事情判決(国家等のある行為が法令〔憲法含む〕に違反し無効であるが、無効とすることによりもたらされる混乱を回避するために事情を考慮して、無効を宣言するにとどめ、実際には、無効という判断の効力を生じさせないもの)という方法もありますが、
何らの改正をも行わなかった国会の怠慢に対して、はたして、最高裁が最後の猶予を与えてくれるでしょうか。
国家運営が難しい時期・時代での選挙は日本の将来を大きく左右するという意味で大変に興味深いですが、他方で、選挙の違憲無効の問題も果たしてどうなるかという点も大変に興味深いところです。