裁判所と比べて弁護士会の懲戒処分は激甘に思える

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120911-00001097-yom-soci
依頼人に1億円返さず…弁護士を業務停止2年に
>読売新聞 9月11日(火)19時51分配信

> 依頼人に返すべき資金1億円を返還していないとして、第二東京弁護士会は11日、
>同会所属の山田一郎弁護士(64)を業務停止2年の懲戒処分にした。

> 発表によると、山田弁護士は2004年1~4月頃、
依頼人からゴルフ場の買収資金1億円を受け取り、ゴルフ場側に支払った。
>買収話が破談となり、ゴルフ場側から小切手で1億円戻されたが、
>同弁護士はこれを現金化して5000万円を個人的に消費。
>残りも自分が経営する会社の経費に充てたと説明しているという。

>山田弁護士の事務所は「本人不在のため詳しいことは分からない」と話している。

1億円横領して返還しなくても資格を失わないとは随分な話だ。

職業倫理に反している上に、依頼者の多額の損害も回復されていない状況であるにもかかわらず、
2年ほど業務を停めれば、また弁護士という肩書に伴う一定の社会的信頼を得ながら仕事ができるとは。

弁護士会自身に懲戒権限があることの妥当性が問われそうな話だと思う。

 なお、懲戒事例をまとめている検索サイトによれば、同弁護士は過去に2度懲戒されているという。
1:2003年11月 業務停止1年 処分理由の要旨 依頼者から金借りる。未払い。
2:2006年4月 戒告 刑事事件の弁護人であったが依頼人から民事事件の着手金を預かったが提訴せず。

 既に2度も金の問題があがっていたのに、これを抑制できずに3度目の大きな犯罪行為に至っている。
そんな人を弁護士会から退会させたり、除名させたりできない弁護士会の懲戒制度というのは一体何なのかと首をかしげるばかりである。

 ちなみに、罰金50万円となった下着盗撮の裁判官は弾劾裁判にかけられそうな状況である。
弾劾裁判によって罷免されると裁判官の資格を失うだけでなく、法曹資格を失うのである。
(それだけでなく、資格上の制限や経済面での不利益もあるという。)
上記弁護士会との処分と比べるといかにも不均衡さをぬぐえない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120911-00000461-yom-soci
>下着盗撮の判事補に罰金、最高裁に「罷免相当」
>読売新聞 9月11日(火)11時2分配信

> 電車内で女性の下着を盗撮したとして、大阪区検は10日、大阪地裁判事補・華井俊樹容疑者
>(27)を府迷惑防止条例違反(盗撮)で略式起訴し、大阪簡裁は求刑通り罰金50万円の
>略式命令を出した。

> 華井容疑者は罰金を即日納付。同地裁を管轄する大阪高裁は同日、裁判官弾劾法に基づき、
最高裁に「罷免の理由がある」と報告した。

> 最高裁が「罷免が相当」と判断すれば、国会の裁判官訴追委員会に対し、
裁判官弾劾裁判所に訴追するよう申し立てる。最高裁によると、罷免が決まれば、7人目となる。

> 起訴状によると、華井容疑者は8月29日朝、走行中の京阪電鉄の電車内で、
>携帯電話を使って女性のスカート内を動画撮影したとされる。

>華井容疑者は大阪府警に現行犯逮捕された後、処分保留で釈放されていた。
>「退官願」を出しているが、同地裁は留保している。

http://www.dangai.go.jp/intro/intro3.html
弾劾裁判所が罷免の判決を宣告すると、被訴追者は、裁判官の身分を失います。
>また、検察官や弁護士となる資格を失うほか、公証人となることも制限されます。
>さらに、調停委員、司法委員、参与員にもなれません。
>経済的な面でも、退職金を支給されないほか、年金も制限されます。