これって評議の秘密かも?

>荷役業者殺害で懲役17年=裁判員「裁判官だけなら15年かも」-静岡地裁

> 同業の男性を刺殺したとして殺人罪に問われた元港湾荷役業田辺勝三被告(67)の裁判員裁判で、静岡地裁(長谷川憲一裁判長)は15日、
>懲役17年(求刑懲役20年)の判決を言い渡した。弁護側は懲役13年が妥当と主張していた。

> 判決は「強固な殺意に基づき残虐」と指摘。仕事などをめぐるトラブルで
>被害者に行き過ぎがあったと認定した上で「殺害するほどの事情はない」とした。

> 公判では、田辺被告が遺族に「13~15年で(刑務所を)出てこられるので、
>再会できるまで長生きしてください」との手紙を書いたと明らかにされた。
裁判員を務めた自営業の30代男性は判決後の記者会見で
>「(裁判官だけなら)懲役15年になった可能性があり、自分たちが参加した意義があった」と感想を述べた。
>(2010/01/15-20:06)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201001/2010011501009

 静岡地裁裁判員裁判
裁判員の方が「(裁判官だけなら)懲役15年になった可能性があ」ると述べたようだが、
これは、裁判官の多数意見が15年であったことを推測させ、
守秘義務が課せられている評議の秘密に触れるような気もするのだが、裁判所からの静止はなかったのだろうか。
ふと気になった。

 それはさておき、裁判官よりも裁判員の意見の方が重い量刑を選択したことが明らかになったわけだが、この一例は一般化できないものだろうと思われる。
 裁判員裁判により、量刑がどうなっていくのかは今後の統計的な情報収集等によって明らかにされると思う。
前にどこかの新聞が、100件ほどを調べたところ、平均としては求刑の8割程度で変わらないとしていたが、
内実は、求刑どおりの意見もある一方、半分とか3分の2以下の量刑もそれなりあるようで、ばらつきが広がるという当初の下馬評通りに推移しているように思う。
今後さらに事案の集積が進み、罪名別での比較などが行われれば興味深い。