『女性に“薬物”飲ませわいせつ…研修医逮捕』について

>女性に“薬物”飲ませわいせつ…研修医逮捕
日本テレビ系(NNN) 8月27日(土)22時15分配信
> 静岡・焼津市の市立病院の研修医が27日未明、飲食店で一緒に飲んでいた女性に
>薬物のようなものを飲ませ意識をもうろうとさせた上、わいせつな行為をしたとして、
>準強姦の疑いで警察に逮捕された。
 逮捕されたのは焼津市立総合病院の研修医・****容疑者(28)。警察によると、
>**容疑者は27日午前0時頃、焼津市内の飲食店で知人ら5、6人で飲食していた際、
>同席していた20代の女性が注文した酒に、薬物のようなものを混入させ、
>意識をもうろうとさせた状態で近くの別の店に移り、女性にわいせつな行為をした準強姦の疑いがもたれている。
> 警察の取り調べに対し**容疑者は、容疑を否認しているという。
> 警察では、使用した薬物の特定や動機などを詳しく調べている。

今回この事件を取り上げたのは前回の記事との関連であるが、
被疑者がどちらも医師ということに着目したわけではない。

この事件は、どうやら犯行時刻が27日未明で、同日の夜には逮捕報道が配信されており、
警察(捜査機関)がこの事件で捜査に費やした時間が1日足らず(半日程度)と推測される点が
気になったのである。

前日の記事では、「事案の真相解明」と「被疑者の負担軽減」という
二つの価値の調和を観点として挙げたところ、
この事件も、その点が難しい事案であったと推測されるのである。

事案についての勝手な想像を前提に考えていくので、実体と異なる部分があるが
その点には目をつぶって頂ければ幸いである。
(以下、勝手な想像に基づく前提事実を踏まえた分析及び一般化となる)

まず、女性(+第三者もいたかも)は、27日未明の後に
意識を回復してわいせつな行為を受けたと感じてすぐ
警察に被害申告を行ったと思われる。
それに加えて、第三者が女性の意識喪失の様子なり、どこかに連れ込まれる様子なりを
見ていたという話も、女性の申告を補強する材料として聴取されているかもしれない。

捜査機関としては、そういった材料をもとにして、一次的に「事件性」「犯人性」等についての判断
(前提の証拠たる被害申告の信用性判断が特に重要なわけだが)をした上で、
さらに捜査を行う判断をしたものと思われる。

実のところ、上記記事が正しいことを前提とすると、
医師が使用したとされる薬物の検出・特定には至っていないことが明らかであり、
科学分析を丁寧に行って客観的な証拠を固めてから被疑者にあたるという方法も
当然考えられる。

その意味では捜査機関は早急に強制捜査に乗り出すというリスクを負ったわけである。
(むろん逮捕状を請求する以上、被疑者に対する嫌疑はそれなりのものがあるわけだが)

なぜそのような決断をしたかには様々な可能性があるのだが
(上記で想像した以上に嫌疑が固いという可能性ももちろんある)
一つの可能性としては、迅速な強制捜査の着手により、
真犯人であれば存在しているはずの証拠の散逸を防ぐという意図があったかもしれない。

たとえば、自宅の捜索差押が行えるのであれば、使用薬物の手がかりとなるような物、故意に関わる日記類、
その他電子データなどが入手できる可能性が高まる。
他方、着手の時期を遅らせれば遅らせるほど、当然、何らかの理由で処分・隠滅されるなどして、
残存する可能性は下がっていく。

以上の点は、先に述べたとおり、勝手な推測による問題設定に過ぎず、真実そうであるかは
当方には一切関知しかねるところである。
ここでは、真実がどうかということはさておき、
迅速な捜査によるメリットと、
任意捜査で収集分析する時間を確保しないことにより生じるリスク(=いわゆる誤認逮捕)とは
様々な場面で容易く両立させづらいということを指摘したかったにとどまる。

そんなわけでこの記事でもリスクを考え、被疑者名はとりあえず匿名化しておくことにした。