韓国・名誉棄損裁判(一審無罪)

>http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170125-00000064-asahi-int
>「帝国の慰安婦」朴教授に無罪判決 ソウル東部地裁
>朝日新聞デジタル 1/25(水) 16:37配信

> 元慰安婦11人の告訴を受け、検察は15年11月、
>「自発的に行った売春婦」「朝鮮人慰安婦と日本軍の関係が基本的には同志的な関係」などとした
>35カ所が名誉毀損(きそん)に当たるとして起訴した。旧日本軍の関与を認めた1993年の
>河野官房長官談話などをもとに慰安婦は「性奴隷」だとして、朴氏の表現は虚偽の事実だと主張。
>昨年12月に懲役3年を求刑していた。

> 韓国刑法は、公然と虚偽の事実を示して人の名誉を毀損した場合に罰すると定めている。
>判決は35カ所のうち30カ所は朴氏が主観的に意見を表明したにすぎず、
>「具体的な事実を示したとは言えない」として、検察の主張を退けた。5カ所は
>「事実を示した」と認めたものの、うち3カ所は名誉を毀損する内容ではないと認定した。

 ここまでのところの事実認定や法律判断に違和感はない。
あるとすれば民事裁判ならいざしらず刑事事件でこのような理由で訴追側の主張が排斥されることだ。
このように排斥されるような内容で起訴してしまってよいのだろうかということだ。
もちろん国によって訴追基準は様々なはずだが、何かしら安易さというか危うさを感じる。

> 残る2カ所については「朝鮮人慰安婦の中には自発的な意思によって慰安婦になった人がいる」
>との事実を示したと指摘した。そのうえで、韓国で自らの意思で慰安婦になったことが知られれば、
>社会的な評価を下げる恐れがあるとした。

> ただ、この2カ所の表現は、朝鮮半島出身の慰安婦について書いた内容であり、
>告訴した元慰安婦個人を特定していないと判断した。執筆の動機も「韓日の和解」という
>公共の利益のためで、元慰安婦の社会的な評価を下げる目的はなかったとし、無罪判決を出した。

> この事件をめぐっては、検察や裁判所が歴史的な事実を評価し、
>刑事罰を科すのは言論や学問の自由を脅かすという指摘が、日韓の有識者から出ていた。

> 今回の判決は、慰安婦がどういう存在だったのかといった歴史的な評価には踏み込まなかった。
>一方で判決は、朴氏が著書で示した見解には様々な批判があるものの、刑事裁判の手続きで判断する
>ものではないとの考えを示した。そのうえで、朴氏の見解に関する評価は「学問や社会の場で
>行われるべきだ」とした。

 学問的になされたもの、それが学問研究に名を借りた攻撃行為ならともかく
歴史的な事実を史料にもとづいて検討分析がなされたものであれば、その好悪はともかく
議論の前提としてそれを受け入れるのが、成熟した民主主義国家というものだろうと思う。

> 韓国の崔軫淳(チェジンスン)・建国大言論広報大学院兼任教授は判決について
>「幅広い表現の自由を認めた」としながらも、「慰安婦被害者たちの痛みを優先する国民感情
>とはかけ離れている」とも指摘。今後も韓国社会で議論が続くとの見方を示した。

 法的な判断がそのときそのときの雰囲気・感情で左右されかねないとすると大変怖い。
判決をした裁判官は自然体で判決に至れたのか世論の圧迫に苦しみながらも無罪にしたのか。
その点も気になる。

> 日本語版「帝国の慰安婦」は、朴氏が日本語で書き下ろし、
>朝日新聞出版から14年11月に刊行された。構成や表現は韓国語版と同一ではない。
>(ソウル=東岡徹)

 以上のコメントは従前および今回のニュースなどで得た知識で書いているものであって
事件そのものや判決文に接した上でのものではないのでご了承願いたい。