司法試験の問題漏えいについて

問題漏えいは試験の信用性を損なう大きな問題と思う。

個人の資質と指摘する点はそのとおりだろうが
一方で旧司法試験では学者・実務家法曹と学生との距離感はかなり遠いのに比べ
新司法試験は法科大学院制度を採用し、2年ないし3年の在籍期間だが、少人数制が多く
学生と教授との距離感がずっと近い。

そうすると、個人的な資質に問題のある人でも
遠い距離感ならば問題が現実化しないですむこともあるが
近い距離感だと問題が現実化してしまうという可能性があるように思える。

今回の漏えいが、本当に個人の資質の問題といえるのか
法科大学院制度という制度自体にも問題があるのか
よく検討してもらい、
司法試験という重大な国家資格に関係する試験の信用を
損なわないようにしてもらいたいと願う。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150907-00050119-yom-soci&pos=3
作成担当の教授、司法試験問題を教え子に漏らす
読売新聞 9月8日(火)3時4分配信

 司法試験の考査委員として今年の問題作成に関わった明治大法科大学院(東京都千代田区)の青柳幸一教授(67)が、同大学院を修了した教え子の受験生に問題の一部を漏えいした疑いのあることが7日、関係者の話でわかった。

 教授は法務省の調査に漏えいを認めており、東京地検特捜部は、国家公務員法守秘義務)違反や業務妨害などの疑いがあるとみて捜査を始めた。

 司法試験の問題漏えいで刑事責任が追及されるのは初めて。受験生を指導する法科大学院の教員が試験問題も作成するという制度の問題点が露呈した形だ。青柳教授は7日、読売新聞の取材に「検察の捜査を受けており、何も話せない」と答えた。

 憲法が専門の青柳教授は、2005年から考査委員を務めている。今年5月に実施された司法試験では、8問ある論文式試験のうち「公法」に関する1問を他の委員と作成。問題の内容は、過去の市民運動への参加を理由に市役所を不採用とされた元大学院生が、国家賠償請求訴訟を起こす場合、憲法上どう主張すべきかなどを論じさせるものだった。