ひき逃げと殺人と

「殺人事件だと思っていたら捜査の仕方はガラリと変わっていたはず」別府ひき逃げ事件警察の初動捜査に弁護士が苦言

https://news.yahoo.co.jp/articles/9df205743f1a0841c10eacec93d22159c6df58de

 

ひき逃げは過失ではねた後にはねたことを分かって逃げた場合、殺人は死んでも構わないとして、この事件であればそのまま車を走らせてはねた場合、に成立する。

赤信号待ちのバイクを後方から時速100kmで進行してはねている事案だが、走行状況等を客観的に見てバイク(人)を認識していたか、あるいは、道路にバイク(人)がいようが何があろうがはね飛ばして進むつもりだったと言えるようなものだったかが必要になると考えられる。

一般的な道路での事故では、相当な速度超過があろうが、赤信号無視をしていようが、自分が事故で死傷するつもりはなく事故を起こしたいともならないだろうから故意をとるのは難しい。赤信号無視を殊更無視しているので、赤信号待ちをはねた場合にも危険運転の結果人が死傷したといえれば危険運転致死の適用もあるかもしれない。これも赤信号見落としだと適用できないが。

遺族はルール外れの運転態様や結果の大きさから殺人罪の適用をと望む心境は分からないでもないが、現実の事実認定、法適用からすると難しいことを求めているというのが率直な感想になる。