>「ゲイだ」とばらされ苦悩の末の死 学生遺族が一橋大と同級生を提訴
>BuzzFeed Japan 8月5日(金)18時56分配信
>「アウティング」の典型例
>自ら望んで、同性愛者だと告白することを「カミング・アウト」という。
>一方、同性愛者だということを、勝手にばらされることを「アウティング」という。
>「同性愛者への社会的偏見は、まだまだ根強くあります。その中で、勝手にばらされたくない、
>と思うのは自然なことです。私も同性愛者ですが、このような形でばらされたAくんが、
>どれだけ不安に思い、落ち込んだかは想像を絶する」
>「Aくんは8分後に『たとえそうだとして何かある?笑』と返信していますが、
>おそらくスマホを操作する手は震え、それだけ書くのも、やっとだったのではないでしょうか」
>Zくん側は裁判で「恋愛感情をうち明けられて困惑した側として、
>アウティングするしか逃れる方法はなく、正当な行為だった」と主張してきたという。
>この点が、裁判の重要なポイントとなりそうだ。
この事案は、いろいろと難しそうだが
プライバシーの侵害の成立要件は、よく分からないが
たぶん、①個人にとって重要な秘密を②不特定多数の者に公表することで
成立しそうである。
もっとも、本件だと
○自己が相手の承諾なく開示した自己の勝手にばらさないことを要求する権利(守秘義務)が、そもそもあるか
+○LINEで公表したらしいが不特定多数といえるのか?
などの点が問題になりそうである。
記事にもあるとおり、異性愛者にとっては、同性愛者からの告白は精神的に相当な負担であっただろうが、
その点はどこら辺の要件に関わる、どこら辺で論じるのが適切なのだろうか。
それはそうと、裁判を起こしてやったぜ、ということを、
これだけ大きく公表して報道させるのはどう考えたらいいのだろうか。
裁判を起こされるだけでも負担なのに、(権利の有無もこれから決まるのに)、
記者会見していろいろと論難することは、アウティング(暴露)とは違うが、
それに似た一方的な糾弾行為にならないのだろうか。勝訴してから公表したって良いだろうに。
このように、訴訟提起それ自体を社会的・政治的な運動に利用するのは
される相手が国や行政機関のときはともかく、一個人のときは慎重にした方が良いように思える。