裁判所データブック2016司法修習生進路

最近の法曹有資格者の動向について確認する。
 人数は左から順に、終了者、裁判官、検察官、弁護士、その他である。※カッコ内は女性で内数。
 とりあえず、新65期(65期は新旧の終了日が同一のため区分できない。66期以降は新のみ)以降を挙げる。

 第65期 2080(479)、92(28)、72(22)、1370(316)、546(113)
 第66期 2034(528)、96(38)、82(31)、1286(336)、570(123)
 第67期 1973(443)、101(29)、74(29)、1248(269)、550(116)
 第68期 1766(418)、91(38)、76(25)、1131(239)、468(116)

 「弁護士」・「その他」の進路について若干補足すると、上記は終了時点での進路であるため、
弁護士の場合は一斉登録申請者(12月中旬頃登録)のみが人数に挙がる。
 12月と中途半端であることから1月登録の人数もある程度いるようであり、
ある弁護士さんのブログ(Schulze BLOGさん2015年12月24日)での計算によると

 ・一斉登録日時点での弁護士登録者数…1,131名
 ・一斉登録日以外の登録希望者で、登録請求を受け付けている者(2015年12月17日時点)…210名
 ・一斉登録日時点での未登録者数…468名
 ・任官者以外で一斉登録日時点で登録請求を行っていない者…258名

とのことであり、このほか、即時独立の方が順次登録することもあるので、
任官者以外で弁護士の進路を選択しなかった者の実数は、258名マイナスαということになる。
そうすると元の数字よりはだいぶ小さくなるが、
それでも10年前の第58期の「その他」がわずか13名であったことに比べると
比較にならないほど大きな人数が、「法曹」ではなく「法曹有資格者」という進路になったといえる。

 ちなみに、それぞれの女性の割合は、下の通りである。
 (左から、終了者、裁判官、検察官、弁護士、その他の順)
  第65期 23.0%、30.4%、30.6%、23.1%、20.7%
  第66期 26.0%、39.6%、37.8%、26.1%、21.6%
  第67期 22.5%、28.7%、39.2%、21.6%、21.1%
  第68期 23.7%、41.8%、33.3%、21.1%、24.8%

 確実に言えることは、女性は、裁判官・検察官への任官率が高いということである。
男性の任官希望が少ないのか、女性が優秀なのか(任官の人気が高い仮定して)、
優秀な男性と比べて、優秀な女性は任官を目指す傾向にあるのか、などなどの様々な可能性が考えられる。
ここ数年の「その他」における女性割合が「弁護士」一斉登録における女性割合よりも少なかったが、
第68期では逆転している。たまたまなのか、何らかの外部的要因が作用しているのかよく分からない。