新聞記事から事件内容と見通しを推測してみる

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甲斐氏、アンナと最後まで争う「金が取れないなら和解ありえない」
スポーツ報知 9月9日(火)7時4分配信
 歌手でモデルの土屋アンナ(30)が主演する舞台「誓い~奇跡のシンガー~」が上演中止になった騒動について、製作側代表で脚本・演出担当の甲斐智陽(かい・ちよう)氏(63)が土屋側に損害賠償を求めた民事訴訟で、和解に向けて続けられてきた非公開協議が8日、東京地裁で行われた。終了後、甲斐氏はスポーツ報知の取材に「カネが取れない和解なんてありえない」と話し、最後まで争う姿勢を明らかにした。

 和解協議の進展どころか、法廷に舞台を戻してバトルを再開する可能性が浮上した。甲斐氏は「カネが取れない和解なんてありえない。こちらの言い分が通ってこそなんで。(上演中止で)被害をかぶってるのはこっちなんだから。じゃあ、最後までやりましょうってことだよ」とぶちまけた。

 騒動が表面化したのは昨年7月。8月上演予定の主演舞台の稽古に土屋が無断で欠席したとして、製作側が上演中止を発表した。濱田朝美さんの著書「日本一ヘタな歌手」の舞台化だったが、土屋側は濱田さんから「台本を見ていないうえ(舞台化を)承諾もしていない」と連絡を受け、製作側に配慮を申し入れたところ、一方的に中止が発表されたと反論。製作側は承諾を得ているとし、真っ向から対立した。

 その後、甲斐氏ら製作側が土屋と所属事務所を相手取り、3026万円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こし、騒動は法廷へ。これまで3度口頭弁論が行われ、甲斐氏は毎回出席。土屋側は代理人弁護士が出席し、主張を戦わせてきた。

 今年3月3日の第3回で、小林久起裁判長が、著書で描かれた障害者が歌を目標に生きる姿に双方とも共感して舞台化が進められたはずと指摘し「尊い気持ちでやってるわけだから、原点に戻って話し合いを含め検討する余地はないのか」と呼びかけ、以降は非公開で数回協議を続けてきた。

 甲斐氏は「カネは入りません。すいませんでした、じゃねえ。9対1とか8対2ならいいけど」と話し、損害賠償請求額の80、90%が支払われるような条件での協議になっていないことを示唆。次回の非公開協議の日程も決まっているというが「法廷に戻って争うことになるのか」との問いに「そうだな」と明言した。

 一方、土屋の所属事務所は、非公開協議が継続中であることを認め「こちらとしては裁判所のご指導に従うつもりでいます」とコメントした。

 ◆土屋アンナの主演舞台降板騒動

 ▼13年7月29日 製作側が、土屋の主演舞台の上演中止を発表。土屋が稽古を無断欠席したためと説明した。土屋側は事実無根の内容と反論。

 ▼同日深夜 舞台原案の著者・濱田朝美さんがブログで「土屋アンナさんは全くの無実です」と擁護。

 ▼8月9日 甲斐氏ら製作側が、土屋と所属事務所を相手に3026万円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に提訴。10月7日に第1回口頭弁論、12月11日に第2回口頭弁論。

 ▼14年3月3日 第3回口頭弁論で裁判長が和解勧告。

 ▼4月21日~9月8日 非公開協議。
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まず、請求(原因)を考えると
被告の債務不履行(稽古無断欠席)に基づく損害賠償請求となりそう
稽古欠席されると上演に間に合わないから中止、上演に関する損害発生(相当因果関係)という流れかな

これに対する抗弁がどこまで出されているか知らないが
債務不履行に対して、帰責事由なし。(又は損害との因果関係なし)ではないか。
上演の前提となる著作権者の承諾がない、と主張しており、
事実であれば上演に参加すれば不法行為に問われかねない以上
上演参加(債務の履行)しないのはやむを得ない行為といえそう。
(あるいは、稽古に参加してもしなくても、上演中止を求められるものだから損害に相当因果関係がないとか)

この点、著作権者は被告側を応援しているということなので、実際に承諾を得ていないという疑いがある。
また、原告が承諾があることの証拠が出せていないのではないかという傍証としては、裁判所が和解について
原告に不利、被告に有利な姿勢を示しているように思われることである。

もちろん、別の理由から裁判所は原告に不利な和解案を出しているかもしれないが、
どちらにしても、原告の請求に対する裁判所の評価がかなり不利なのだろうという憶測が働く。
(それを理屈的にみると、上記のような被告の反論に理由があるということなのかもしれないということ)

そうすると、
>甲斐氏は「カネが取れない和解なんてありえない。こちらの言い分が通ってこそなんで。
>(上演中止で)被害をかぶってるのはこっちなんだから。じゃあ、最後までやりましょうってことだよ」
>とぶちまけた。
というのがいかにも滑稽なコメントのように思われる。


というのが記事を読んだ感想であった。

もちろん、報道が事実と異なっていたり、重要な点について不明確あいまいだったりして
上記の推論は誤りであるかもしれないが、とりあえずそんなところを考えた。