選挙無効

昨今、投票価値の平等が裁判を通して大きく注目されています。

民主主義の過程に関する権利や平等に関わる問題は
近年、裁判所がその権限を行使しやすい、すべき分野だと言われてきた流れと軌を一にするようにも思えます。

投票権の平等を重視することはそれはそれで一つの筋論ですが、あえて、他方で、いくつか気になることをあげてみたいと思います。

ひとつはどこからが良くてどこからが悪いかという線引きがしにくいこと。
2倍以内は悪くないけど、2倍超は悪い。1倍が最善でそれ以外はダメ、というように簡単にいえるのかなとふと思います。

また、無効にするような場合でも、例えば三年前の選挙よりは(多少歪んでいても)現在の選挙の方が世論をより反映していると思われるときに、
無効にするのが本当にいいのかなあ、今は比較的ましなのではというように思う余地もありそうです。

また、行政区割り的な問題もあるかと思います。平等を重視すると時々で選挙区がかわる地域が増えて毎回違うところと同じ選挙区になるということや
そもそも適切な選挙区割りや選挙制度をどう作っていくか難しくなるのでは、とか、費用が大きくなりそうなどと思えることです。
選挙区割りや選挙制度に関する立法裁量の問題でしょうか。

また、今の小選挙区比例代表の制度では、たしかそれぞれ別のものとして投票価値の差を考えていると思いましたが
制度全体で許容されるべき倍率なりを考えてはいけないのかあ、という点です。


以上、無効判決の内容もきちんと読まず、適当な思い付きの文章ですので、悪しからずです。