改正DV防止法について変な角度から評価してみる

改正DV法の保護命令では、
被害者(保護対象者)は、従来、
「配偶者」「元配偶者(婚姻時に暴力があったものに限る)」(10条)
「事実上婚姻関係と同様のもの(内縁)」・「元内縁(内縁時に暴力があったものに限る」(1条3項)
であったが、

今回の改正で
「生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。)をする関係にある相手」(28条の2)
に拡張される。

従来は、配偶者とか事実上の婚姻関係といった内容であり、
男女間の家庭関係を規律するものであったといえよう。

ところが、今回の改正により
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交際
婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く
という3要件で緩和を図っている。
の「婚姻関係における共同生活に類する共同生活」という表現では、
特に「類する」の解釈の仕方であるが、
異性間に限定されることなく、同性間の問題にも踏み込めると理解することもできるように思う。

前述のとおり、適用対象をむやみに広げることはさまざまな問題があると指摘したところであるが、
仮に、この新法の改正において、異性間での保護を同性間での保護にまで拡張するという発想であれば、
この点は、斬新で、日本社会においては、興味深い立法になると思われる。

ということで、今回のDV法改正は、従前の家族観に対する変容を迫る
鋭い立法なんだろうと大いに驚き好奇の思いを抱かせてもらうことにしよう(笑)。