尖閣諸島問題について

トイレでぼんやりしていたらふと次のような点に思い至った。

中国側はまず第一歩として尖閣諸島が領土問題であることを日本に認めさせようとしている。
とりあえずそれだけ行けばひとまず矛を納める可能性もあるといった論調を何かのマスメディアで見た。

これについては、日本が正当に実効支配しているところについて
何故領土問題があるなんて認めなければいけないんだ、
仮にそんなことを認めたらそこで小休止するなんてことはなく、かさにかかって
共同管理の提案、実効支配に向けた行動の強化、さらには準軍事的な機関による強行手段と進める可能性が高い、
だから反対、という考え方が多いと思われ、私もそれには頷ける。

それで、ここからがトイレで思ったことだが、日本にとって領土問題と認めることは
実は、上記のような大きな後退の第一歩ではなく、
越えてはいけない線を越えてしまう最後の一歩なのではないか、と考えた。

なぜかというと、日本国憲法9条1項は、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」としている。
尖閣諸島について領土問題と認めるとすると、それはすなわち国際紛争となり、
憲法9条1項によれば武力による威嚇や武力の行使できなくなる。
そうすると、中国が軍事的な行動をとっても自衛隊を動かすのは違憲だとなりかねない
(現実とのかいりはとりあえず置いておく)。
自衛隊が動けないとなれば当然日米安保も発動せず在日米軍も動けない。
結果、尖閣諸島は、労せずして中国の実効支配下に置かれることになる。
という流れを思った。

無論、このような流れになるには、飛び越えるべき箇所があるものの、
第一歩の後退があれば、その部分を飛び越えさせようという動きが国内で引き起こされることになり、
そこを飛び越えられれば中国にとって最上だが、そうでなくとも
日本国内の動揺にアメリカなどが失望して日本支援から態度を変更させるようにしようと目論んだりするのかな、と思った。

このようにあれこれ考えると、日本が尖閣諸島について領土問題と認めることは、
最後の一線を越えてしまう非常にまずい内容であって
およそ絶対に譲歩しようのないところなんだろう。