某掲示板に、難しい相談者の依頼を受ける際の例が載っており、参考になりましたので転載しておきます。
最近の弁護士の中には、とりあえず着手金等を稼ぐために、無理な事件でも依頼を断るということをしないで
全然ダメな事案でも平気で訴訟を提起し追行する場合があるようです。
また、同じ掲示板で、原告に対し妻が詐欺をしたということで、原告(弁護士付き)が妻を訴えるのに合わせて、夫も訴えたが、妻の詐欺を立証するばかりで夫が関与しているという話を全然出さず(損害賠償請求の根拠となる事実の主張が無い)に訴訟を進めて行って最後に原告本人尋問でいきなりその話が出てきたという事例が挙げられていました。
要は、この先生に頼んで負けるなら仕方ないと依頼者が思えるかどうかだな
たとえ負けても、そう思える依頼者は幸せだろ
たとえ負けても、そう思える依頼者は幸せだろ
負けてもいいのでお願いしますという相談者(被告は除く。負けるにしても弁護士をつけてダメージができるだけ少ない負け方をするメリットがあるため)
8割以上の確率で負ける場合
受任はしない。
あなたはそう言いますが、本心から負けてもいいと絶対に思っていないでしょう。
安くない弁護士費用を払って負けたら意味ないですもんね。
きっとあなたは弁護士を頼めば勝てるかもしれないと思っておられるのでしょうが、はっきり言います。私には無理です。勝てる気が全くしません。
私より有能な弁護士に高額な費用を払って依頼すれば勝てるかもしれませんが、少なくとも私が知る限り、そんな弁護士はいません。
安くない弁護士費用を払って負けたら意味ないですもんね。
きっとあなたは弁護士を頼めば勝てるかもしれないと思っておられるのでしょうが、はっきり言います。私には無理です。勝てる気が全くしません。
私より有能な弁護士に高額な費用を払って依頼すれば勝てるかもしれませんが、少なくとも私が知る限り、そんな弁護士はいません。
ここまで言うと、全員諦める。
3、4割程度の確率で勝てるかもしれない場合
やめた方がいいと思います。裁判しても、せいぜい勝てるのは3割程度です
私に50万円を支払っても、6、7割の確率で負けるんですよ
その場合、あなたは更に50万円を損しますが、それでもやりたいですか?
私に50万円を支払っても、6、7割の確率で負けるんですよ
その場合、あなたは更に50万円を損しますが、それでもやりたいですか?
ここまでいうと大抵は諦めるし、負けても文句は言われない
なお、被告の場合は、受任前の時点で負け方まで決めておく
一定の幅をもらい、その幅の範囲内なら和解できる権限をもらっておく
勿論、多少厳し目の予測に基づいて説明しておく(予測は外れるのが常だし、依頼者に不利に外れると信頼関係に影響するため)
一定の幅をもらい、その幅の範囲内なら和解できる権限をもらっておく
勿論、多少厳し目の予測に基づいて説明しておく(予測は外れるのが常だし、依頼者に不利に外れると信頼関係に影響するため)
926 :無責任な名無しさん:2011/12/31(土) 20:47:32.11 id:GsoPMBH9
好評みたいなので、新人に贈る法律相談の手引き
好評みたいなので、新人に贈る法律相談の手引き
確実な場合
普通に答える。法律用語は使わない。使うにしても、今説明したことは法律用語で~というんですという感じにしとけ
イメージは中学生か高校生でも分かる感じ。身内が簡単な手術をすることになり、医師の説明を最近受けたけど、こちらの属性が分からないせいか、まさにこんな感じだった
また、いままでにお聞きしたことを前提にするとこうなりますが、何か別の事実が分かった場合は別の結論になるかもしれませんと予防線をはっとけ
イメージは中学生か高校生でも分かる感じ。身内が簡単な手術をすることになり、医師の説明を最近受けたけど、こちらの属性が分からないせいか、まさにこんな感じだった
また、いままでにお聞きしたことを前提にするとこうなりますが、何か別の事実が分かった場合は別の結論になるかもしれませんと予防線をはっとけ
多少の不安感がある場合
事務所なら、少しお待ちくださいねと言って中座し、本で調べろ
私は少しでも不安に感じたら調べてる
5分程度でざっと確認するだけだけだけど、自信を持って助言できる
相談者も、なんて丁寧な人だと思いこそすれ、反感は持たない
なお、戻ったときは、どうにかならないかと思って調べましたが、やはり難しいようでしたとか言っておけば好感度アップ間違いない
私は少しでも不安に感じたら調べてる
5分程度でざっと確認するだけだけだけど、自信を持って助言できる
相談者も、なんて丁寧な人だと思いこそすれ、反感は持たない
なお、戻ったときは、どうにかならないかと思って調べましたが、やはり難しいようでしたとか言っておけば好感度アップ間違いない
何がなんだか分からない場合
これが一番心配なはずだ
でも、以下の方法で対処すれば極めて簡単
でも、以下の方法で対処すれば極めて簡単
まずは、難しい問題ですので、即答できません。多分、こうなるとは思いますが、少し調べさせてください。~日以内にお電話で結果をお知らせしますと言って時間を稼げ
知ったかぶりをして適当に答えては絶対にいけない
ポイントは自信満々に即答できないと答えること
申し訳ない顔をしてはいけない
どんな弁護士でも知らないのは当然だ、こんな難しい問題を弁護士に相談しようと思ったあんたはえらいくらいの態度でいい
ポイントは自信満々に即答できないと答えること
申し訳ない顔をしてはいけない
どんな弁護士でも知らないのは当然だ、こんな難しい問題を弁護士に相談しようと思ったあんたはえらいくらいの態度でいい
そうすると、相談者はとても喜ぶ
弁護士でさえ即答できない難しい問題を弁護士に相談しようと思った自分はえらいと思うわけだ
で、数日以内に調べて電話で説明してやれば、相談者はあなたのファンになる(勿論、電話は無料サービスだぞ)
弁護士でさえ即答できない難しい問題を弁護士に相談しようと思った自分はえらいと思うわけだ
で、数日以内に調べて電話で説明してやれば、相談者はあなたのファンになる(勿論、電話は無料サービスだぞ)
司法試験、特に択一の知識問題レベルの知識って忘れちゃうんだよね
この間なんか借地事件の相談を聞いてて何か違和感を感じたんだけど(期間を定めず口頭で貸し渡し、借地上に登記済建物がたってる)、期間は一律30年になるんだよね
この間なんか借地事件の相談を聞いてて何か違和感を感じたんだけど(期間を定めず口頭で貸し渡し、借地上に登記済建物がたってる)、期間は一律30年になるんだよね
ポイントはそこじゃなくて、地代不払のまま借地人が破産をして、現在管財人がついてる場合に明け渡しを求めるには何をどうしたらよいかだったんだけど、ふと本をめくってるときに30年という記載が目に留まり、人間の記憶力の余りの低下ぶりに新鮮な驚きを感じた
優秀な弁護士は、最初の見立てを外しません
割合は、根拠はないけど、感覚的なものです
相談者に言うかは趣味の問題だけど、私は分かりやすいので言っちゃいます
割合は、根拠はないけど、感覚的なものです
相談者に言うかは趣味の問題だけど、私は分かりやすいので言っちゃいます
経験は、最初の見立ての精度を上げるためのものです
まあ、依頼者が嘘ついてることは非常に少ないけど(最初に嘘ついたら負けだけと言っておくし、事前の打合せでは、相手方弁護士より厳しい反対尋問をして曖昧な部分は潰しておくから少ないのかも)、予想外の新証拠が出てくるときはある
その場合は、その時点で作戦会議をして方針を定め直す
その場合は、その時点で作戦会議をして方針を定め直す
孫子も言ってるでしょ
戦争は勝ちを確認するためにするもので、勝つか負けるか分からない戦争は金と人を失うだけだからやっちゃいけないって
戦争は勝ちを確認するためにするもので、勝つか負けるか分からない戦争は金と人を失うだけだからやっちゃいけないって
933 :無責任な名無しさん:2011/12/31(土) 21:44:39.74 id:ccW9s08N
>>929
自分も事件の見立てを話すけど、「これは裁判官の8割にしか当てはまらない」とも言う。
2割前後の裁判官は基準の範囲外の結論を出す。普通と反対の結論に至る裁判官も5%前後はいる。
>>929
自分も事件の見立てを話すけど、「これは裁判官の8割にしか当てはまらない」とも言う。
2割前後の裁判官は基準の範囲外の結論を出す。普通と反対の結論に至る裁判官も5%前後はいる。
それと依頼者の2割ほどは何らかのウソを言っている。
細かな部分の説明の省略(依頼者に有利な省略)が多いが、依頼者の数%は核心部分でもウソをつく。
確率論からは相談者の半数は負け筋だからこれは当然である。
しかし、話を聞きだすと信用してしまいウソを見落としがちである。
細かな部分の説明の省略(依頼者に有利な省略)が多いが、依頼者の数%は核心部分でもウソをつく。
確率論からは相談者の半数は負け筋だからこれは当然である。
しかし、話を聞きだすと信用してしまいウソを見落としがちである。
937 :無責任な名無しさん:2011/12/31(土) 22:06:09.11 id:GsoPMBH9
>>933
でもね、判決をもらってビックリってことは滅多にないでしょ
大体は予測がつく
だから、上で争うか、仕方ないので和解するかを判決になるまでに決めればいい
>>933
でもね、判決をもらってビックリってことは滅多にないでしょ
大体は予測がつく
だから、上で争うか、仕方ないので和解するかを判決になるまでに決めればいい
それと、意図的な嘘をつかれたら、すぐに辞任するでしょ
そうしないと裁判所の信頼(この人は嘘は絶対につかない)を失って仕事がやりにくくなる
そうしないと裁判所の信頼(この人は嘘は絶対につかない)を失って仕事がやりにくくなる
正直者が集まる傾向じゃなくて、
あなたに不利な事実ほど知りたいんです。
裁判官はとても賢いので、嘘をついても判決までに必ず見抜かれてしまいます。
どうせバレる嘘ならつかない方がいいし、最初から正直にいった方がいい。その上であなたの最善を考えましょう。
弁護士に嘘をいうことは、医者に対し、頭が痛いのにお腹が痛いというくらい、やっちゃいけないことなんですよ
裁判官はとても賢いので、嘘をついても判決までに必ず見抜かれてしまいます。
どうせバレる嘘ならつかない方がいいし、最初から正直にいった方がいい。その上であなたの最善を考えましょう。
弁護士に嘘をいうことは、医者に対し、頭が痛いのにお腹が痛いというくらい、やっちゃいけないことなんですよ
と言えば、あえて嘘をつく人はいないでしょ