中国高速鉄道事故の批判報道

中国の高速鉄道で車両が追突して多くの人が亡くなった事故の惨状には心を痛める。

さて、今回の事故は、情報統制の厳しさに定評のある中国の国内でもかなり批判的な報道がなされているらしい。

これについてどこかしらのメディアが、中国メディアが頑張るようになった、中国国民の意識が変化してきている、といった自由主義国家側から見たら好ましい変化の表れという感じで扱われていた。

随分楽観的な見方だなあという感想をもった。これまでの報道によれば、共産党90年を飾る、国威を発揚するなどのために高速鉄道の発展を強引に推し進めていたということで、当然、中国政府要人に中心的人物がいるはず。鉄道が上手く行けばその人とそのグループの人が権力を拡大する。
とすれば、これを面白くないライバルグループがいても全然おかしくない。国家的な事業に絡むものであればいずれも大きな力をもっているだろう。
そして、今回の報道は、中国の情報統制の緩みではなく、今回の事故を契機に自分達の立場を強めようとするグループ側の影響、保護を受けて盛んに報道しているのではないか、と想像してみた。

また、これがライバルグループからのものでなくとも、政府側で情報を適切にコントロールし、最終的な矮小化を図るために今は厳しく政府を非難して信用を集め時期を見計らってフェードアウトさせる戦略を狙っているのではないかとも思われる。

中国については特に裏の裏まで考えた方がいいと思う。

そういえば最近のゴルゴ13では、ベトナムでの、日中による新幹線の受注争いを描いていて実にタイムリーだと思った。
ゴルゴが鉄道事故を起こさせるパターンだったらやばすぎて続きを連載できないだろうと思ったが、どうやらその方向ではない模様。