弁護士人口について

「自由と正義 2010年2月(Vol.61 No2)96頁」
 地方での開業を考えてみませんか。第14回 奈良県の弁護士需要

要旨は次のような感じ。
 県内のゼロワン地域はなくなった。
 弁護士の急速な増加により弁護過疎は急速に改善の方向に向かっている。
 若手弁護士は68%増、一人あたりの訴訟需要は46%減。
 弁護士の一人もいなかった市町村に事務所を構えて立派に事務所を維持して活躍する姿をみると,
 弁護士が事務所を構えることによって,はじめて掘り起こされる需要があるとわかる。

 その上で、最後の方で「高額の報酬が必ずしも望めない扶助事件を多数抱え,
国選弁護事件も積極的に受任して奈良県内を東奔西走するバイタリティーがあり,
弁護士会の委員会活動などの場を通じて他の会員の信頼を得られれば,成功は十分期待できます。」
とのまとめ。

1:高額報酬の望めない扶助事件を多数抱える
2:国選弁護を積極的に受任して東奔西走するバイタリティーをもつ
3:弁護士会の委員会活動などの場を通じて他の会員の信頼を得る
→これだけやっても,成功は「十分期待できる」(十中八九?)程度のようです。

これって,冷静に読むと,安易な気持ちで奈良に来ても
事務所経営はかなり大変だよと言っているように読めるのですが?
このようなタイトルにいささかそぐわない論旨に
地方の法曹人口飽和感がほのみえるように思えます。