要件事実というか民法がよく分からない2

<事案>

 Yが土地の所有者。AがYから土地を借りた。その際、原状回復特約が付いていた。AはXに土地を貸した(Yの承諾はない)。Xは整地して駐車場を作って営業していた。その後、Aが賃料を支払えなかった。YはAとの間で未払賃料を減額したうえでさらに賃貸借契約を続行する和解をした。その後しばらく、Aは賃料を支払ったが、まもなく再び支払ができなくなった。そこで、YはAに対し債務不履行解除を行い、A及びXに対して土地の返還請求訴訟を提起し、AとYが土地を明け渡すこと、本件について和解条項に定める以外に債権債務関係がないこと(清算条項)を主とした裁判上の和解を行った。その後、Yに本件土地の占有が戻った。そこで、XがYに対し、民法196条2項に基づく有益費償還請求訴訟を提起した。

 

<請求原因>

1 X本件土地を整地した

2 その時Xは本件土地を占有していた。

3 Xは整地費用を支出した。

4 選択催告後相当期間が経過した。

5 支出金額及び増加金額(少ない方に請求権が確定する)

<抗弁(債権消滅)>

1 和解における清算条項がある。

 

※増加額が存在しないという反論は請求原因5の否認だろう。

※Aとの賃貸借契約に原状回復特約があることはどう考えたらいいのか。

 

<検討> 

 普通にAがした賃貸借契約終了に伴う有益費償還請求(民法608条2項)であれば、原状回復特約の存在によって有益費償還請求が排除できる。転借人になると言えないのか?言えそうな気もするがよく分からない。

 また、それはさておいても占有者の有益費償還請求であって賃貸借契約などの話が出ていない。この場合に、むしろ貸主側が賃貸借契約の存在と終了に基づく返還であって、特約もある、ということができるのか。

 なんか不当利得に関する最高裁平成7年9月19日(賃借人に依頼された請負業者が貸主に対して工事費の不当利得返還請求を行った事案で、貸主は賃借人から権利金を受け取っていないので、対価を払っているとされて、不当利得返還請求が棄却された事案)があるが、これは参考になるのだろうか。

 よく分からない。