【メモ】最高裁・道路交通法違反5(平成12年~平成14年)

道路交通法違反被告事件についてした略式命令に対する非常上告
 平成14年11月8日  最高裁判所第二小法廷  判決
□判示事項  検察官に送致することができない少年事件を検察官に送致してされた略式命令に対する非常上告
□【検送要件を満たさない(罰金以下の刑)事件につき公訴提起】
 本件違反行為(※原付の定員外乗車(2名))は,罰金以下の刑に当たる罪であるから,
 少年法20条1項により検察官に送致することができない事案であったのに,名古屋家庭裁判所一宮支部は,
 本件を刑事処分相当として名古屋地方検察庁一宮支部検察官に送致し,同支部検察官から
 犬山区検察庁検察官を経て移送を受けた名古屋区検察庁検察官は,当時少年であった被告人に対し,
 本件について公訴を提起して略式命令を請求したことが認められる。

道路交通法違反被告事件についてした略式命令に対する非常上告
 平成14年9月26日  最高裁判所第一小法廷  判決
□判示事項  処断刑超過による非常上告
□【酒気帯び運転と免許証不携帯の観念的競合で、主文が罰金5万1000円】
 (※H13改正前)法119条1項7号の2の罪の法定刑は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」
 であり,法121条1項10号の罪のそれは「2万円以下の罰金又は科料」であるところ,
 原略式命令が被告人の所為は1個の行為が数個の罪名に触れる場合に当たるものとして
 刑法54条1項前段を適用したのは正当であるから,本件については,
 重い法119条1項7号の2の罪の刑で処断すべきであり,罰金刑を選択した場合には,
 その処断刑の多額は5万円となる

道路交通法違反被告事件についてした略式命令に対する非常上告
 平成14年4月16日  最高裁判所第三小法廷  判決
□判示事項  処断刑超過による非常上告
□【無免許運転(罰金は上限10万円)と酒気帯び運転(罰金は上限5万円)で、主文が罰金12万円】
 原略式命令が被告人の所為は1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合に当たるものとして
 刑法54条1項前段を適用したのは正当であるから,本件については,重い道路交通法118条1項1号の
 罪の刑で処断すべきであり,罰金刑を選択した場合には,その処断刑の多額は10万円となる。

道路交通法違反被告事件についてした略式命令に対する非常上告
 平成14年4月8日  最高裁判所第二小法廷  判決
□判示事項  少年に対し家庭裁判所を経由することなくされた略式命令に対する非常上告
□【訴訟条件違反(検送を欠く)の公訴提起】
 被告人に対して本件公訴が提起された平成13年6月13日当時には,被告人は少年であって,
 公訴を提起するためには,少年法20条による家庭裁判所から検察官への送致決定を経る必要がある。
 しかし,本件では,同送致決定がされた事実は認められない。

道路交通法違反被告事件についてした略式命令に対する非常上告事件
 平成13年12月13日  最高裁判所第一小法廷  判決
□判示事項  反則行為に当たる速度違反を非反則行為と誤認してなされた略式命令に対する非常上告
□【速度指定がないのにあると誤解し、非反則行為として公訴提起】
 同記録中の交通事件原票には,本件違反場所の最高速度は道路標識等により50卷荵?
 指定されている旨の記載があり,原裁判記録中にはこれに反する資料はなかったことが認められる。
 しかしながら,当審の事実取調べの結果によれば,本件違反場所は,最高速度について何らの指定も
 されておらず,道路交通法22条1項,同法施行令11条に規定する法定最高速度60卷荵?
 適用される道路であったから,被告人の速度超過は正しくは25卷荵?箸覆蝓
 同法125条1項により反則行為となると認められる。