おまけ2・破産債権等

債権調査(115条以下)
 破産債権の調査では主に期日型調査(期間型調査の方が正式だが)が用いられ、
これは次のような流れで確定されます。

<債権調査期日の指定・債権届出>
 破産債権届出期間、債権調査期日が指定され、知れたる債権者に対する通知と官報公告が行われます。
各債権者が所定の記載事項として債権の種類、金額、内容・原因等を記載して、書面で破産裁判所に届け出ます(規則1条1項、32条1項)。
 なお、届出自体に消滅時効の中断効があり(民法147条、152条)、その効力は、異議によって影響されません(判例)。
破産管財人による調査>
破産管財人が疎明資料を要求をしたり説明を求めたりして、債権の妥当性を判断し、連絡します。
<債権調査期日>
 事前に破産管財人と届出人の間での十分なやりとりを経て、債権調査期日における債権調査が実施されます。
 裁判所書記官が破産債権者表を作成し(115条1項、実際には破産管財人側で原案を作成している?ようです)、
期日における破産管財人の認否(破産債権者表でも一体的に一覧できるように数字が記載されていますが)と、
出頭した破産者及び届出した破産債権者の異議によって債権調査を行います(116条2項)。
<調査期日の結果>
 破産管財人が認め、かつ届出した破産債権者から期日において異議を述べなかったときは破産債権が確定します。(124条)
 *異議の具体的な理由:①債権の不存在、②証拠書類の不備、③手形要件の形式的不備、④劣後的破産債権、⑤別除権付債権(不足額が判明しないと配当を受けられない)、⑥反対債権の存在、⑦リース物件の評価不足、⑧重複届出(主たる債権者と連帯保証人の両方が届け出た場合、保証人については否認することになる)、⑨否認権の対象
 
 否認あるいは異議が出された場合には、債権を認めてもらうには異議に対する査定をし、さらに査定に不服があれば、査定決定から1か月以内に、査定に対する異議の訴えを提起することになります(125条以下)。
<配当>
 上記の手続を経て、破産債権が確定されると配当を実施することになります。
 換価終了・債権調査終了・財団債権の処理終了→破産管財人が簡易配当の許可申請・配当表提出裁判所書記官の許可)→配当表に対する異議期間(除斥期間〔届出債権者に通常通知が到達する期間から1週間〕経過後の1週間。異議には裁判所が決定します。訴訟手続で異議をだせず、簡易配当では即時抗告もできない→配当の見込み額通知、配当の実施
*弁済による消滅などに対する請求異議はありえるが、実務上は届出の取り下げで処理される 
 
 最後配当:公告型と通知型に分かれる(197条1項)
 簡易配当:除斥期間の短縮(205条)、配当表に対する異議の手続における即時抗告の不許(205条による203条の適用除外)、配当表に対する異議期間経過(異議手続き終了)後の配当額の再度の通知の省略(205条による201条7項の適用除外)
  *①配当可能金額が1000万円未満、②配当時異議確認型、(③開始時異議確認型)のいずれかの場合
 同意配当:届出債権者全員の同意(配当表、配当額、配当の時期・方法)