選挙犯罪による連座制について

後藤英友議員:当選無効に不服、提訴へ
> 出納責任者が公選法違反(日当買収)に問われ、最高裁で上告が棄却された民主党後藤英友衆院議員(43)=比例九州=は31日、熊本市で記者会見し、当選無効を不服とする行政訴訟福岡高裁に起こす考えを明らかにした。
> 会見で後藤議員は「選挙で選ばれた議員の失職は重い。買収の悪質性にはいろんな程度があり、今回は失職するほどの悪質性はないと思う」と強調。「最終判断は党や弁護士と相談して決めるが、即座に辞職する考えはない」と述べた。
 
公職選挙法(251条の2)によれば、出納責任者が選挙犯罪で有罪となった場合には
1 おとり行為
2 寝返り行為
があったときを除いて、その候補者の当選が無効になると規定されています。
 
候補者による当選無効とならないことの確認訴訟の規定(210条)をみても、
前記に加えて「出納責任者」に該当しないという主張ができる(これは理屈上もできて当然でしょうね)だけで、
条文上「買収の悪質性」が考慮される余地はないようですので、
本当に議員がそんなことを言ったのだろうかと疑問に思いましたが、
読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100731-OYT1T00691.htm)などの諸マスメディアをみても
>後藤氏は熊本市内で記者会見し、
>「今回は議員を失職させるほどの悪質性はないのではないかと思っている」と述べた。
という趣旨の記者会見の記事が載っていますので、そのとおりの発言があったのでしょう。
 
今後弁護士などと相談するという話ですが、早急にされた方がいいというか、
記者会見の前にしておくべきだったのではないかと思います。
 
正直、「悪質性」が低いなどというのが考慮されてしまえば、
外形的、形式的に対処して選挙の腐敗を抑止しようとする
連座制の意義が没却されてしまうので、直感的に変な感じを受けました。
 
阿久根市ではありませんが、法律を軽視するとか、理解しないという姿勢や風潮が蔓延するようでは
法治国家の名が泣きますし、何となく先行きが暗く思えます。