アメリカ大統領選挙

共和党のトランプ氏が勝ったようだ。
外国人の流入制限やら在外米軍の撤退やらいろいろと過激な発言が物議を醸しそうだが
それは個人の資質と今後の姿勢次第ということかと思うほかない。

それ以上に気になるのは政治経験のない過激な言動をする人物を選ぶ
アメリカ人の思考だろうか。

勝因敗因はのちほどプロが正しく解説してくれるだろうから
ここでは勝因に関する自分の勝手なイメージをひとまず書いておく。
トランプ氏への支持を支えたものに
「被害感」というものがあるように思う。

経済的に貧困な階層には、自己の生活の苦しさについて、
旧来の政治階層やそれに連なる中上流階層(=クリントンに代表されるような)から
言いようにされている、搾取されているという「被害感」があって、
トランプ氏がこれを打破してくれると思えたということではないか。
(これは日本での民主党政権誕生の際の心理状態に似たところがあるかもしれない。
 その結果は御覧の有様という状態であり、今後のアメリカの行く末を心配させる要素でもあるのだが)

少なくない割合を占める白人男性、
彼らも昨今の反差別・少数派尊重の風潮の中で、
有色・女性・性的マイノリティーなどなどから劣位におかれているという
「被害感」があって、歯に衣を着せぬトランプ氏の言動で
風通しが良くなるように思えたのかもしれない。
(日本でも女性専用車両などに対して男性差別でないかという不満の声もネットで聞かれるが
それがもっと強い状態なのかと思える)

いずれにせよ、そういった「被害感」が
保護主義、排外主義に結びついて、しかも仮に大規模な不況でも起こるようなことになれば
これはもう、第二次世界大戦前夜といった雰囲気になるかもしれない。

ぜひそうならないことを願うわけだが、本当に、これからの4年間で世界はどのような方向に動くのだろうか。