従前であれば検察官は控訴する可能性が高そうといえるでしょうが、
認定落ち(重い罪名から軽い罪名)についても、これまで1件も控訴していないため、
控訴する確率は必ずしも高くなく、このまま確定するのかもしれないと思っています。
ただ、個人的には控訴したら、高裁の判断がどうなるのか、興味深いところかとも思っています。
いずれ控訴第1号事件が出てくるはずですから、今回がさっさとその第1例になれば面白いのに
ということです。
それと、控訴があった場合には、「警察の捜査は粗く、検察のつめが甘かった」という裁判員の辛辣な批判が
ブーメランのように本人に戻ってくる(裁判員の評議は粗く、認定のつめが甘かった)ようなことになったら
はてどうだろうという、いささか野次馬的な気持ちの部分もちょっとあります。
交通事故で被害者側の人として、加害者に死刑を求めた人が裁判員を務めて
当時の自分を振り返っている話には、判断の難しさや大変さが語られており、
それと似て、例えば、「裁判官は語らず」という標語があることへの理解を深め、
個々の判断者(・裁判制度・司法制度)のあり方についての参考になるようなことだと思いますので。
ひったくりを繰り返し、盗んだクレジットカードで買い物をしたとして、強盗致傷と窃盗、詐欺の罪に問われた東京都立川市の無職の男性被告(20)=事件当時少年=の裁判員裁判で、東京地裁立川支部(福崎伸一郎裁判長)は9日、詐欺について無罪とし、強盗致傷については窃盗罪しか認めない判決を言い渡した。そのうえで懲役3年、保護観察付き執行猶予4年(求刑・懲役7年)とした。裁判員裁判で一部無罪判決が出るのは初めて。
検察のつめ甘い…裁判員裁判で初の無罪判決
6月10日0時10分配信 読売新聞
6月10日0時10分配信 読売新聞
判決後の記者会見で、裁判員を経験した小山貴子さん(34)は「はっきりと証拠と言える判断材料が欲しかった。警察の捜査は粗く、検察のつめが甘かった」と話した。東京地検立川支部の西本仁久・公判担当副部長は「上級庁と協議して適正に対処したい」とコメントした。