>遺体の感染検査、保健所拒否相次ぐ 法医学者依頼に―独自実施の大学も・新型コロナ

時事通信社の記事タイトルだが、最初に抱いた印象は、日本ではコロナ死が少ないと安心していたのに、実際を反映していなかったんだ、大変だという感じになった。

記事の本文も

 亡くなった人の死因を調べる全国の大学の法医学教室などが今年1月以降に扱った遺体で、新型コロナウイルス感染の有無を調べる検査を保健所に拒否される事例が相次いでいる。独自に検査を始めた大学もあるが、法医学者は「遺体でも感染の有無は重要な情報で、検査を徹底する体制を国が整備すべきだ」と指摘する。

という文章から始まり、ますます不安感をあおられる。

しかし記事の中をよく読むと、

・アンケートの回答状況は、約80への調査に26の回答

>全国約80の大学や機関に所属する法医学者らにアンケート調査を実施。26機関が回答

・拒絶件数は12件

>1月下旬以降、保健所に依頼した遺体のPCR検査を断られた事例が12件あることが分かった。

・受けた件数は11件、すべて陰性

>一方、依頼を受け保健所などが検査したケースも11件あった。死後のコンピューター断層撮影(CT)検査で肺炎が疑われた男性などで、すべて陰性だったという。

というのが実際。

日本全国での死者数が500を超える中で、12件の検査拒絶ということでとても「拒絶が相次ぐ」というほどではないし、拒絶されなかったもの(疑いが強いもののはず)はすべて陰性ということで、タイトルから感じた不安な印象である「暗数となっているコロナ死が少なからずある」というのも根拠が薄いことが分かる。

記事の中身をよく読まないと変な方向に誘導されそうな記事だった。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020050700133&g=soc