判例時報の小説

法律・判例雑誌に小説が載るような時代がきているようだ。

もちろん、今も、設例的なもので、学生と教授、先輩と後輩の類の
論点に対する法的な意見交換を通じて理解を深めさせるという形式(フィクション)は
連鎖されているが、それはあくまでも主眼としては実務・学説上の理解を促すための表現方法だと思う。

しかしながら、今回のものは、もちろん法律に関係がないわけではなく、
直接的な話題事項は、家裁調停と配偶者暴力加害者による面接交渉の否定のようであるが
現在の“反知性主義”などを批判するという大上段な構えをとり、
審理に関する事項について裁判官を民事法廷に引っ張り出して当事者尋問するという
いささか現実感に乏しい舞台設定でもって論を進めていくもののようである。

小説の展開がどうなるのかは不明だが、一方当事者に偏する主張が
前面に出てくると思われるところがいささか心配する次第である。