改憲派・護憲派とひとくくりにするのは止めたらどうか

昨日は憲法記念日だったので、各地で憲法に関する活動が行われて報道もされた。

そのなかで改めて気になるのが、憲法に対するいろいろな考え方について「改憲派」「護憲派」(これにせいぜい「加憲」があるくらい)とひとくくりにしてしまうことだ。

報道の内実を見ると「改憲派」はやや不明確だが、「護憲派」は要は平和主義(9条、加えて前文)の改正反対である。

ところで、一口に改憲といっても、実際に議論されている対象は、
国家緊急権の追加、環境権の追加、憲法改正要件の緩和、選挙区割における平等の緩和、9条などかなり多様である。
(他にもいろいろ挙げられる)

また、今や国会では第一党の自民党はもとより公明党民進党、おおさか維新など、大多数が何らかの憲法改正を目指し、あるいは検討している状況にある。

先日高知に行ってきたが、高知は今度の参議院選挙で徳島と合区となり、たまたま徳島に地盤のある人だけが立候補を予定しているため、
(乱暴に言えば)高知の代表者は選出されないと見る余地もある。
そんな高知の人に「一県一代表という考え方をどう思うか」
「現在の憲法では平等権が重視されており一県一代表は保障されないが、これを保障する憲法改正をどう思うか」
などと訊ねれば、多くのひとが改正に賛意を示す可能性があると思われる。
とはいえ、当然のことながら、この改正に賛成の人が他の憲法改正の議論で改正に賛成するとは限らない。

したがって「改憲派」「護憲派」と大雑把に表現してしまうと、実際の内実は全く一枚岩ではないことをまとめてしまい、結果、事実や争点を歪めることになってしまうのではないかと危惧される。

今や多岐にわたる憲法改正問題は、争点ごとに○○賛成派、○○反対派と表現していく方がいいのではないか。

そんなふうにふと思った次第である。