頑張れプロレタリアート

講演を聴く機会があった。
その中で、「他社製品から自社製品に変えてもらうというセールスで、何日間もその店を訪れて、その後数日は、駐車場に自車を停めてその中で寝泊りして、お願いに通った。そうしたら、契約をしてもらえたということだった」というエピソードが披露されて、HR(ヒューマンリレイションシップ?)が人を動かすんだ、といった感じで述べていた。そして、これを敷衍して顔が見えない○○○のあり方には少々問題があるのではないか、という感じの話もしていた。

しかしながら、何日も店を訪ねていって、さらには車内に寝泊りしてお願いするのを(自分が営業マンだったらするのかもしれないが)礼賛というか賞賛するというのは、第三者的な観点からはどうかなと思う。
人の働きすぎをおさえて、健康で文化的な生活を送ってもらうために、外在的に制限するルールも規定されているのだし、企業の、というか資本家の論理(笑)に乗せられているような感じを受けた。
HRのところも、経済合理性とは別の観点で人が動くことがある、というのは、事実の認識、評価の際には落とすことができない(というか、そんなの当たり前のことで、それを大発見のように言われるのも違和感はあったが。)けど、それを職務に反映させるというのは、特殊な関係を形成して物事を通常ではないやり方で処理するという方向性にもなって、それは、職務の本来的な特徴・性質に合致しないのではない、と思う。
(もちろん、合理性を越えた部分での信頼を勝ち得る魅力を持つことは何ら悪くないと思うけど、例が悪い)

というわけで、一プロレタリアートとしては、何かブルジョワお嬢様の体験談的な話と感想の羅列にいまいち首をひねってしまったのでした。(まあ、自分がひねくれ者なので、物事を斜に構えて捉えているだけかもしれないけどね)